リドカインとは
リドカイン(Lidocain) とは
リドカインとは、アミド型局所麻酔薬に分類される麻酔薬に用いられている成分です。
先発薬としてアストラゼネカ製薬がキシロカインという商品名で発売しました。
局所麻酔薬としてだけではなく、抗不整脈薬やかゆみ止めとして広く世界で使用されています。
局所麻酔としては静脈投与が可能でありながらも毒性が弱いことから一般的に使用されます。
剤形がさまざま存在し、注射、クリーム、ゼリー、スプレーなどがあり、症状によって使い分けられています。
クリーム状やジェル状のリドカインは男性のペニスに塗布することで麻酔効果によって早漏症の改善にも応用されています。
このページではリドカインの効果や作用機序、リドカインを含んだ医薬品についてご紹介していきます。
リドカインの効果
リドカインは、知覚神経及び運動神経の神経伝達を遮断する働きがあり、局部麻酔の効果があります。
リドカインの剤形と成分量によって表面麻酔、浸潤麻酔、伝達麻酔、脊椎麻酔、硬膜外麻酔など使い分けされています。
表面麻酔は主にクリームやジェル状の剤形で塗布されます。
浸潤麻酔、伝達麻酔、脊椎麻酔、硬膜外麻酔はすべて注射によって行われます。
表面麻酔の効果によって、早漏防止薬としてや痒み止めとして利用されています。
前述の知覚神経の遮断作用によって、性行為の際にペニスが受ける性的刺激を脳に伝わりにくくさせることで性的興奮の高まりを通常より抑えることで早漏(そうろう)の予防・改善をはかることができます。
早漏で悩む男性は早漏がきっかけで心因性によるED(勃起不全)を引き起こす可能性もあるため、リドカインなどで早めの対処をするのがよいでしょう。
リドカインの副作用
リドカインには副作用が存在します。
以下の症状があらわれた場合は使用を中断し、医師へご相談してください。
重大な副作用
【表面麻酔、浸潤麻酔、伝達麻酔、脊椎麻酔、硬膜外麻酔すべてに共通した重大な副作用】
・ショック
徐脈、不整脈、血圧低下、呼吸抑制、チアノーゼ、意識障害等を起こし、稀に心停止することがあります。
・意識障害、振戦、痙攣
振戦とは筋肉の収縮、弛緩が繰り返される、ふるえのことです。
【浸潤麻酔、伝達麻酔、脊椎麻酔、硬膜外麻酔の重大な副作用】
・異常感覚、知覚・運動障害
注射針などが神経に触れることで一時的な異常感覚が現れる場合があります。神経が障害を受けるとまれに持続的な異常感覚などにつながることがあります。
・悪性高熱
頻脈・不整脈・血圧変動、急激な体温上昇、筋強直、血液の暗赤色化、過呼吸、発汗、アシドーシス、高カリウム血症、ミオグロビン尿を伴う悪性高熱があらわれる場合があります。
その他の副作用
以下のような症状が現れた際は重大な副作用につながることがあるので使用を中止し医師に相談する必要があります。
・中枢神経
眠気、不安、興奮、霧視、めまい等
・消化器
悪心・嘔吐等
・過敏症
蕁麻疹等の皮膚症状、むくみ等
リドカインを含む医薬品
リドカインは前述の通り、剤形が豊富で注射液、クリーム状、ゼリー状、スプレータイプなどが存在します。
注射液を個人で購入・使用する人はあまりいませんのでこの項目では利用しやすいタイプのリドカインを含む医薬品を紹介します。
キシロカイン
キシロカインはアストラゼネカ製薬が発売しましたが日本国内ではアスペンジャパン株式会社が製造販売している表面麻酔剤です。
リドカインの含有量は2%で、尿道麻酔や気管内挿管の際にも使用される局所麻酔薬です。
他の用途としては陰茎に使用することで感度を鈍化させ、早漏症を予防することができ射精に至るまでの時間を長くする効果があります。
麻酔効果が現れるまでには15~20分程度と即効性があります。
キシロカインは1本あたり内容量30gで2,600円から購入できますが、まとめ買いすることで1本あたり1,910円までディスカウントされてお得に購入することができます。
エムラクリーム
エムラクリームはキシロカイン同様、アストラゼネカ製薬が発売しましたが日本国内では佐藤製薬株式会社が製造販売している局所麻酔薬です。
効能又は効果としては
・皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和
・注射針・静脈留置針穿刺時の疼痛緩和
の効果があります。
成分としては本剤1g中にリドカイン25mgとプロピトカイン25mgが含まれます。
プロピトカインはリドカイン同様に神経膜のナトリウムチャネルをブロックし知覚神経及び運動神経を遮断する局所麻酔薬の一つです。
エムラクリームも陰茎に塗布することで麻酔効果が現れますので感度を鈍化させ、射精に至るまでの時間を長くするので早漏防止に利用することができます。
エムラクリームは1本あたり内容量30gで6,300円から購入できますが、まとめ買いすることで1本あたり5,984円までディスカウントされて購入することができます。
リドカインの作用機序
リドカインは神経膜のナトリウムチャネルに結合し、神経における活動電位を不活性化させることで知覚神経及び運動神経の伝達を遮断する作用があります。
これがどのようにリドカインの効果の一つである早漏防止の効果につながるかご説明します。
陰茎に性的刺激がされた場合、その刺激は陰茎表面の神経から脳に伝わります。
脳に伝わった段階で性的快感であると判断されるわけです。
リドカインはこの性的刺激の伝達を遮断するので脳が受け取る性的刺激が弱められ、結果として早漏防止の作用があらわれます。
リドカインの併用注意薬
クラスIII抗不整脈剤
薬剤名:アミオダロン等
リドカインと併用することで心機能抑制作用が増強するおそれがあるので、心電図検査等によるモニタリングを行う必要があります。