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トラセミドとは

トラセミド(Torasemide)とは

トラセミド(Torasemide)は、主にむくみの解消に用いる利尿剤の有効成分です。
利尿剤はいくつかのグループに分類することができますが、トラセミドはその中の「ループ利尿剤」に属します。
また、ほかのループ利尿剤に比べて効果の持続時間が長く、また副作用が少ない点が強みです。

とはいえ、副作用のリスクがまったくないわけではありません。
使用後に頭痛や倦怠感などの症状が現れるケースが確認されています。
そのほか、発症頻度は限りなく少ないものの、肝機能障害低カリウム血症を招く危険性も考えられます。

このようなリスクを回避するためには、効果や作用機序といった基本的なことを押さえたうえで正しく使用することが大切です。
そこでここでは、トラセミドについて詳しくまとめてみました。

トラセミドの効果

トラセミドは排尿を促し、その回数や量を増やすことで体内に溜まっている余計な水分の排出をサポートする成分です。
主に心不全や腎不全によって生じるむくみを解消するために用います。
腎臓内にあるヘンレループという器官に作用することからループ利尿剤のひとつに分類されます。

数あるループ利尿剤の中でも効果の持続時間が長いことから、「長時間作用型」のひとつに数えられます。
また、ループ利尿剤の副作用として生じやすい低カリウム血症の発症率が少ないのも特徴です。
ほかのループ利尿剤を使用したことで低カリウム血症を発症した経験がある方も、扱いやすい成分といえます。

ただし、使用するタイミングを十分に注意する必要があります。
強い利尿作用を発揮してくれるのはありがたい反面、それによって排尿回数が増加します。
席を外せない重要な会議を控えているとき、長時間の運転を余儀なくされるときなどは、なるべく服用しないことをおすすめします。
また、就寝前に服用するのもあまりおすすめできません。
就寝中の排尿回数が増えることで睡眠が浅くなり、心身に悪影響を及ぼすおそれがあります。

おくすり110番 - トラセミド

ループ利尿薬とは

トラセミドを含むループ利尿剤は腎臓にある尿細管、さらに厳密にいえばその中でもヘンレループに作用します。
ヘンレループは、腎臓でろ過して作られた原尿を膀胱に送る通路の役割を担っています。
しかし、原尿がヘンレループを通る際に、周囲の血管に多くの水分を吸収されることがあります。

これによって余分な水分が体内に残って尿量が減少し、結果として1回の排尿量や1日の排尿回数も少なくなります。
その一方で、血管に吸収された水分が体内に蓄積していくことで、むくみが生じます。

このようにして起こるむくみに、ループ利尿剤が効果を発揮します。
ヘンレループに作用することで血管に吸収される水分量を減らし、尿として排出される水分量を増やします。
その結果、排尿が促されるようになり、また体内に蓄積する水分量が減ることでむくみが解消します。
代表的なループ利尿剤としては、トラセミドのほかにもフロセミドやブメタニドやアゾセミドといった利尿剤があります。

トラセミドとフロセミドの違い

数あるループ利尿剤の中でも特に広く知られているのが「ラシックス」です。
フロセミドを有効成分として含有しており、心不全、腎不全によるむくみの解消を目的として多くの医療機関が使用しています。
一見すればトラセミドと効果や用途が変わらない成分のようにも思えますが、実際に比較してみると両者にはいくつかの違いが見られます。

たとえば、フロセミドは高血圧症も適応症のひとつに含みますが、トラセミドは国内では高血圧症を適応症としていません。
しかしその一方で、トラセミドはフロセミドよりも強い利尿作用を発揮するという特徴があります。
また、利尿剤を使用した際に生じやすい副作用、低カリウム血症が少ないのもトラセミドならではの大きな強みです。

このように同じループ利尿剤に分類される成分でも効き目の強さや適応症が異なるので、それぞれの特徴を理解したうえで自分に合ったものを使用することが大切です。

トラセミドの副作用

トラセミドはループ利尿剤の中でもひときわ強い利尿作用を発揮することから、ほかの利尿剤で思ったほどの効果が得られなかった方にもおすすめです。
しかしその強い作用によって、使用後に副作用を招くリスクがあることを忘れてはいけません。

トラセミドの主な副作用として、めまい、ふらつき、倦怠感、頭痛などが挙げられます。
これらの症状は特に報告が多いものの、いずれも軽度のまま自然に治まっていくことがほとんどです。
しかし場合によっては、トラセミドの効果が切れても依然として症状が続いたり、悪化したりすることもあります。
その場合は医薬品の使用を中止したうえで、すみやかに医師による診察を受けることをおすすめします。

一方、事例は極めて少ないものの、重度の副作用も確認されています。
具体的には肝機能障害や血小板の減少、低カリウム血症、高カリウム血症などが挙げられます。
万が一これらの初期症状が現れた場合、もしくは普段と違った症状が現れた場合はすみやかに受診するようにしましょう。

おくすり110番 - トラセミド

トラセミドを含む医薬品

腎不全や心不全に伴うむくみに優れた効果を発揮すること、低カリウム血症のような利尿剤を使用するうえで問題視されていた副作用が少ないことが高く評価されているトラセミドですが、トラセミドを有効成分とする代表的な利尿剤として、ルプラックが挙げられます。

ルプラック

ルプラックは田辺三菱製薬株式会社が製造・販売を手がけるループ利尿剤です。
ベルギーのクリスチャン社によって開発されました。

有効成分トラセミドの含有量にあわせて、4mg錠と8mg錠の2種類が販売されています。
いずれも白色の円形をした錠剤であり、半分にカットするために割線が入っています。
1日1回、1/2~1錠を服用するのが基本的な用法用量です。
服用のタイミングは明確に定められていないものの、飲み忘れを防ぐために毎日同じタイミングで使用して習慣づけることをおすすめします。

使用後、頭痛、めまい、ふらつき、倦怠感、頻尿といった副作用が生じる可能性があります。
いずれも軽度な症状であることがほとんどですが、安全のために運転や高所での作業など危険を伴う行動は避けるべきでしょう。

トラセミドのジェネリック

ルプラックは新薬(先発医薬品)として開発された医薬品ですが、その一方で新薬を元に開発されたジェネリック医薬品(後発医薬品)もあります。
ジェネリック医薬品は新薬と同じ有効成分を含有することから有効性や安全性が変わらず、それでいて開発コストが少ないことから薬価が安いという特徴があります。
ここではルプラックのジェネリック医薬品として、トールとダイトールの2種類を紹介しています。

トール

トールはインタスファーマ社が開発した、利尿作用によるむくみを解消できる利尿剤です。
ルプラックのジェネリック医薬品として開発されており、トラセミドを有効成分として含有します。
剤形もルプラックと同じく白色の円形で、割線が入っています。

日本では医療用医薬品として承認されていないため、病院で処方してもらうことはできませんが、海外では一般的に流通しており、日本でも通販で取り寄せて使うことは可能です。通販の価格相場は1錠あたり80~90円前後となっています。

トールの詳細はこちら

ダイトール

ダイトールは、インド有数の製薬会社・シプラ社が開発した利尿剤です。
剤形は白色の円形で表面には半分にカットしやすくするための割線が入っており、また裏面には有効成分トラセミドの含有量が数字で刻まれています。

トールと同じく日本では承認されていないため処方してもらうことはできませんが、これもまたトールと同じく通販で購入することが可能です。
1錠あたりの価格相場は40~50円程度で、トラセミドを含有するあらゆる医薬品の中でも特に安く購入できる製品となっています。

トラセミドの作用機序

尿は腎臓で作られますが、そのままの状態で排尿してしまうとアミノ酸をはじめとする必要な栄養素まで尿と一緒に排出されてしまいます。
しかし通常は、尿が膀胱に送られる途中で血液内に栄養素が吸収されるため、排尿によって栄養素が体外に出てしまうことはありません。
このような仕組みを「再吸収」といいます。
ただ、このとき尿の水分も吸収されてしまうと、体内に蓄積する水分が増加し、その結果むくみが生じます。

再吸収が行われる器官のひとつに尿細管のヘンレループが挙げられますが、トラセミドはここに作用します。
これによって水分の再吸収を防ぎ、尿として排出する水分量を増やすことでむくみを解消します。
また、カリウムを保持する性質があるのも特徴として挙げられます。

ほかの利尿薬ではカリウムが再吸収されずに尿内に残りやすいことから一緒に排出されやすく、低カリウム血症を引き起こすリスクが高いとされています。
それに比べてトラセミドはカリウムを保持する作用に優れていることから、低カルシウム血症を引き起こしにくいのが強みです。

トラセミドの併用注意薬

トラセミドを併用する際は、併用注意薬との飲み合わせに注意する必要があります。
併用注意薬は、併用可能ではあるものの、それによって人体に深刻な悪影響が及ぶリスクがあるものをいいます。
そのため、どうしても併用注意薬を併用しなければならない場合は、自己判断で行わずに医師の指示を仰いだうえで慎重に扱う必要があります。

トラセミドの併用注意薬として、たとえば「降圧剤」が挙げられます。
併用すると、相互作用によって血圧が急激に低下するおそれがあります。
併用しなければいけない場合は医師に相談したうえで、降圧剤の服用量を減らすといったことをしつつ慎重に扱いましょう。

このほか、「糖質副腎皮質ホルモン剤」「尿酸排泄促進剤」など、多くの医薬品がトラセミドの併用注意薬に指定されています。

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