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ラモトリギンとは

ラモトリギン(Lamotrigine)とは

脳疾患のひとつに、年齢や性別に関係なく発症するてんかんがあります。治療する際は薬物療法をメインに行いつつ、症状や治療の進行具合にあわせて食事療法や外科療法を並行することもあります。
ここで紹介する「ラモトリギン」は、てんかん治療に欠かすことのできない有効成分のひとつです。

また、うつ状態と躁状態が交互に繰り返し現れるという特徴がある、双極性障害の治療薬としても用いられます。国内では、これを有効成分として含有する「ラミクタール」が処方箋医薬品として取り扱われています。ラモトリギンの効果や副作用、また「ラミクタール」をはじめとするラモトリギンを含有する医薬品の情報についてもまとめています。

ラモトリギンの効果

ラモトリギンには、てんかんや双極性障害における躁状態を治療する効果があります。てんかんは慢性的な脳疾患であり、その代表的な症状として“てんかん発作”が挙げられます。

さまざまな原因で大脳の神経細胞(ニューロン)に異常が生じると、電気的興奮が不規則なリズムで過剰に発生します。これによって繰り返し起こるのが“てんかん発作”であり、手足が律動的に伸びたり曲がったりする「間代発作(けいれん)」、ごくわずかな時間、意識が消失する「欠神発作」などが挙げられます。

一方、双極性障害は、気分が著しく落ち込むうつ状態と、これまでになく気分が高揚する躁状態が繰り返し現れる心の病気です。一般的なうつ病と似ていますが、定期的に躁状態になる点が大きな特徴として挙げられます。

そのため、躁状態のときにうつ病が治ったと勘違いするケースが多いようです。しかし、放置していると再びうつ状態を招き、その際に気分の落差によって症状が悪化する恐れがあります。

抗てんかん薬としてのラモトリギンは、てんかん発作の原因として考えられる神経伝達物質グルタミン酸の放出を防ぎ、脳の異常な興奮を抑制します。
国内では主に抗てんかん薬として使用されますが、海外では双極性障害の治療に用いる第一選択薬として採用されています。

また、「強直間代発作」レノックス・ガストー症候群による発作など、重度のてんかんを治療する際にほかの抗てんかん薬と併用することもあります。
そのほか、小児のてんかん治療にも有効なことから、幅広い場面で役立つ抗てんかん薬として多くの医療機関が使用しています。

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その他の抗てんかん薬

抗てんかん薬はその名のとおり、てんかんによる症状を治療する目的で開発された医薬品です。神経伝達物質の遊離を防ぐラモトリギンのほかにも、ニューロンの過剰な電気的興奮を直接抑制する、もしくは電気的興奮の伝達を防ぐことでてんかんによる症状を治療します。

現在、数多くの抗てんかん薬が開発されていますが、含有する有効成分の違いによってそれぞれに異なる特徴が見られます。たとえば、1966年から国内でてんかん治療に用いられている「テグレトール」は、身体の一部に限定して症状が現れる「部分発作」、全身の強張りや痙攣が症状として現れる「強直間代発作」に効果を発揮しやすいという特徴があります。

また、てんかんだけに限らず、精神疾患や三叉神経痛のような神経性の痛みにも有効です。その反面、小児が発症しやすい欠神発作、全身もしくは身体の一部が瞬間的に収縮するミオクロニー発作などには効果を発揮しない点に注意する必要があります。

一方、2016年から国内での製造が開始されたベンビダには、単剤としても併用薬としても使用できるという特徴があります。ほかの医薬品との相互作用が少なく、併用による副作用のリスクが抑えられているのもポイントです。

加えて、従来の抗てんかん薬よりも強力な効果を発揮することから、海外では部分発作の第一選択薬として挙げられることも少なくありません。

ラモトリギンの副作用

医薬品本来の効果を主作用というのに対して、意図しない効果を"副作用"といいます。医薬品の使用において副作用のリスクは常に付き物であり、もちろんラモトリギンを使用することで副作用が生じる可能性があります。

ラモトリギンの主な副作用として、発疹やめまい、頭痛、吐き気、下痢などが挙げられます。これらは特に発症しやすいものの、そのほとんどが一過性の軽度な症状です。ただし、重症化した場合や長期にわたって症状が継続している場合、そのほか異常が見られる場合はすみやかに医師に相談しましょう。

一方、発症率は限りなく0に近いものの、ときに重篤な副作用を引き起こす可能性がある点に注意が必要です。たとえば、38度を超える高熱や喉の痛み、リンパの腫れといった症状が現れる「皮膚粘膜眼症候群」が挙げられます。

別名「スティーヴンス・ジョンソン症候群」とも呼ばれ、風邪の初期症状と似た症状が現れますが、進行すると全身に紅斑が発生します。また、結膜充血やまぶたの腫れを引き起こすほか、場合によっては失明する恐れもあるので注意が必要です。

治療が遅れると「中毒性表皮壊死融解症」というさらに重篤な病気を招くリスクが高まり、また治療したとしても後遺症が残る可能性があります。ラモトリギンの使用後に疑わしい初期症状が現れた場合は、使用を中止したうえですみやかに医師の診察を受けましょう。

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ラモトリギンを含む医薬品

国内ではラモトリギンを有効成分とする抗てんかん薬、ラミクタールを処方する医療機関が少なくありません。ここでは、そんなラミクタールについてまとめています。

ラミクタール

ラミクタールは、グラクソ・スミスクライン社が新薬(先発医薬品)として製造・販売する抗てんかん薬です。てんかんによる発作や痙攣を治療します。うつ病や双極性障害における躁状態など、不安定な精神状態によって生じる心の病気にも有効です。単体で服用できるほか、別の薬の「併用薬」として使用されることもあります。
ラミクタールは、治療する病気によって用法用量が異なるほか、併用薬として使用する場合はどの医薬品と併用するかによっても用法用量が細かく定められています。用途や目的に適した方法で正しく使用しましょう。

ラミクタールの詳細はこちら

ラモトリギンのジェネリック

ここで紹介している「ラミトール」は、ラミクタールと同様、ラモトリギンを有効成分として含有する医薬品です。正確には、ラミクタールの「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」です。

ジェネリック医薬品は、ある製薬会社が開発した医薬品(新薬)と同じ有効成分を使い、別の製薬会社が開発する医薬品のこと。別の製薬会社はすでに存在する有効成分を使うので開発コストを抑えることができ、その分だけ価格も新薬に比べて安いという特徴があります。

ラミトール

ラミトールは、インドのトレントファーマ社が製造・販売する抗てんかん薬。ラミクタールのジェネリック医薬品として開発されました。

有効成分ラモトリギンの効果により、過剰な興奮状態にある脳を落ち着かせることで“てんかん発作”を緩和させることができます。また、軽度の双極性障害であれば、治療後も定期的に服用することで予防効果が得られるといわれています。

そのほか、ジェネリック医薬品として開発されていることから、新薬であるラミクタールに比べて安い価格で購入できるところも特徴といえます。日本で使用するには通販で購入する必要がありますが、販売価格はラミトールが100錠1セットで3,800円程度(1錠につきラモトリギン25mg)となっています。

ラミトールの詳細はこちら

ラモトリギンの作用機序

てんかんを引き起こす原因として、興奮性の神経伝達物質であるグルタミン酸が挙げられます。グルタミン酸は、ナトリウムイオンやカルシウムイオンといった興奮性の信号が神経細胞に送られることで生成されます。このグルタミン酸が多く生成されることで神経が過度の興奮状態に陥り、発作や痙攣といったてんかんの症状を引き起こします。

このようなメカニズムで発症するてんかんの治療に、ラモトリギンが効果を発揮します。ラモトリギンには、ナトリウムイオンとカルシウムイオンそれぞれの通り道であるナトリウムチャネル、カルシウムチャネルを阻害するはたらきがあります。このはたらきによって興奮性の信号の伝達を抑制し、神経の過剰な興奮を防ぐことで症状を治療します。

抗てんかん薬の中には興奮性の神経伝達物質を抑える役割を担う神経伝達物質"GABA"の分泌を促し、それによって精神状態の安定化を図るものもあります。ベンゾジアゼピン系やバルビタール系の抗てんかん薬が該当しますが、ラモトリギンはこれらと異なるアプローチで作用します。

一方、双極性障害における躁状態の治療については、まだ明確な作用機序が確認されていません。
しかし、上記のはたらきによって神経系の興奮を抑えることで、激しく浮き沈みする気分を落ち着かせるのではないかと考えられています。

ラモトリギンの併用注意薬

医薬品によっては、重篤な副作用を招いたり効果を正しく得られなかったりする可能性があることから、「併用禁忌薬」が指定されている場合があります。ラモトリギンは幸いにも併用禁忌薬がありません。しかし、その一方で慎重に取り扱わなければいけない「併用注意薬」がいくつか指定されている点に注意しましょう。

たとえば、フェニトインフェノバルビタールなどの抗てんかん薬が挙げられます。これらの医薬品と併用するとラモトリギンの効果が得られにくくなる可能性があるので、併用する際は十分な注意を払って慎重に扱いましょう。

また、同じく抗てんかん薬のひとつであるテグレトールも併用注意薬に指定されています。併用によってめまいや吐き気などの副作用が現れる恐れがあります。
これらの抗てんかん薬と併用して治療を行う際は、必ず医師の指示通りに正しく扱いましょう。

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