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ミルタザピンとは

ミルタザピン(Mirtazapine) とは

ミルタザピンは、「レメロン」「リフレックス」といった抗うつ剤が含有する有効成分です。脳内で分泌される神経伝達物質の中でもセロトニンとノルアドレナリンに作用し、それによって心の状態を改善。意欲の減退、集中力の低下、不眠といったうつ症状を治療します。

抗うつ剤は開発時期や効果によって、「三環系」「四環系」「SSRI」「SNRI」「NaSSA」の5種類に分類できますが、ミルタザピンは「NaSSA」に該当します。NaSSAは抗うつ剤の中でも最新の種類であり、四環系抗うつ剤を改良して開発されています。

そのため、「即効性がある」「眠気を含む一部の副作用が生じやすい」など、四環系抗うつ剤に見られた特徴があります。
ミルタザピンを使用する際は、その効果や副作用、併用禁忌薬の有無といった基本情報を押さえたうえで、正しく扱いましょう。

Wikipedia - ミルタザピン

ミルタザピンの効果

多くのうつ病患者に共通しているのが、“脳内のセロトニン濃度が低い”ということです。セロトニンは神経伝達物質のひとつであり、緊張や不安を抑制する働きがあります。しかし、セロトニンの濃度が低下してしまうと精神が不安定な状態に陥ります。その結果、抑うつ状態を招きます。

そして、この状態が長期にわたって継続し、また重症化するとうつ病と診断されます。このようにして生じるうつ病に対して、ミルタザピンが効果を発揮します。ミルタザピンにはセロトニン濃度を高める働きがあり、それによって精神状態を改善します。また、同時にノルアドレナリンの濃度を高める作用があるのもポイント。

ノルアドレナリンは意欲や気力に関係する神経伝達物質であり、その濃度を高めることでやる気・意欲の低下を解消します。そのほか、睡眠欲や食欲の減退を招く物質、ヒスタミンを阻害するはたらきもあります。
このはたらきによって、うつ病による不眠や食欲減退といった症状を治療することが可能です。

ミルタザピンは上記の働きを持つことから、原則としてうつ病のみに適応が認められています。これは日本だけでなく海外諸国でも共通であり、うつ病治療を目的とする場合にのみ用いられます。
しかし、多岐にわたって作用するため、不安障害不眠症(睡眠障害)にお悩みの方にも効果が期待できます。

四環系抗うつ剤とは

NaSSAは抗うつ剤における最新のカテゴリーとして誕生しましたが、四環系抗うつ剤をベースにして開発されたという経緯があります。そのため、NaSSAに分類されるものの、四環系の化学構造をしているものもあります。
ミルタザピンがまさにその代表例であり、時に四環系抗うつ剤として紹介されるケースが見られます。

四環系抗うつ剤は、三環系抗うつ剤に次いで2番目に開発された抗うつ剤です。ノルアドレナリンの濃度を高めることによって、低下した意欲や集中力を改善してうつ病を治療します。
また、従来の三環系、そして現在多くの医療機関がうつ病治療に用いているSSRI、SNRIに比べて、即効性に優れているという特徴があります。

その一方で身体に影響を及ぼしやすく、SSRIやSNRIに比べると眠気をはじめとする副作用が現れやすいというネックも見られます。代表的な四環系抗うつ剤として、ルジオミールやテシプールなどが挙げられます。

Wikipedia - 四環系抗うつ剤

ミルタザピンの副作用

四環系の特徴を一部受け継いでいるNaSSAは、SSRIやSNRIに比べて一部の副作用が現れやすいという特徴があります。ミルタザピンを有効成分として含有するレメロン、リフレックスも例外ではなく、使用することでさまざまな副作用を引き起こす可能性があります。

ミルタザピンの副作用として特に多いのが、眠気食欲の増加です。これはミルタザピンの「抗ヒスタミン作用」によるものであり、使用した患者の約半数が発症するといわれるほどポピュラーな症状といえます。
また、倦怠感やめまい、口の渇き、頭痛などの症状が現れることもあります。

これらの副作用は特に飲み始めた時期に現れやすいものの、そのほとんどが軽度な症状のまま自然に治まります。とはいえ、長期にわたって継続している場合や日常生活に支障をきたすほどにまで重症化した場合は、医薬品の使用を中止したうえで医師に相談することをおすすめします。

一方、ミルタザピンの使用によって重篤な副作用が現れるケースもあります。
発症することはほとんどないといわれていますが、万が一の事態に備えてどのような症状が現れるのかを知っておく必要があるでしょう。

具体的には不整脈や痙攣、そして発汗、高熱、強い不安感といった初期症状が現れる「セロトニン症候群」などが挙げられます。疑わしい初期症状が現れた場合は医薬品の使用を中止し、すぐさま医療機関で診察を受けるようにしましょう。

おくすり110番 - ミルタザピン

アカシジアについて

ミルタザピンを使用する場合は、「アカシジア」にも警戒が必要です。アカシジアは長時間同じ姿勢で座れない、下肢を静止させた状態で維持できない、落ち着きがなくなるといったことにより、静座不能になる症状をいいます。

また、人にとっては下肢の異常だけでなく、動悸や息切れ、強い不安感などが生じることもあります。
抗精神病薬の副作用として発症するケースがほとんどであり、ミルタザピンの使用が原因で発現することも確認されています。

うつ病による不安によって落ち着きを失っていると勘違いするケースが多いことから放置しやすく、それによって重症化するおそれがあります。ミルタザピンの使用を開始してから下肢の異常を感じ始めた場合は、アカシジアである可能性を考慮して早めに医師に相談することをおすすめします。

Wikipedia - アカシジア

ミルタザピンを含む医薬品

ミルタザピンはSSRIやSNRIに比べて一部の副作用が生じやすいとはいえ、従来の四環系抗うつ剤に比べればそのリスクは少ないといえます。むしろ多岐にわたって作用することから、うつ病の治療に適している抗うつ剤のひとつに数えられます。ミルタザピンを含有する抗うつ剤としてレメロンリフレックスが有名ですが、ここでは特にレメロンについて紹介します。

レメロン

レメロンは、有効成分ミルタザピンの働きによってセロトニンやノルアドレナリンの濃度を増加させ、それによってうつ症状を改善する抗うつ剤です。基本的にはうつ病治療を目的として用いることがほとんどですが、抗ヒスタミン作用による不眠改善効果があることから、不眠症の治療にも期待できます。

ミルタザピンの含有量にあわせて「15mg錠」「30mg錠」の2種類が販売されていますが、初めは1日15mgの服用から開始することをおすすめします。服用開始から1週間以上経過したあとであれば、1日の服用量を15mgずつ増量できます。

ただしその際は医師に相談したうえで正しく行い、また上限量である45mgを超えないようにする必要があります。誤った方法で使用するとレメロン本来の効果が得られにくくなるほか、副作用を引き起こすリスクが高まります。

レメロンの詳細はこちら
※リンク先はジェネリック医薬品です

KEGG - レメロン

ミルタザピンのジェネリック

レメロンやリフレックスは新薬(先発医薬品)として開発された抗うつ剤ですが、その一方でジェネリック医薬品として開発されているものもあります。新薬と同じ有効成分を含有することから有効性や安全性が確立されているうえ、新薬ほどの開発コストを要していないことから薬価が安いという特徴があります。ここではミルタザピンを含有するジェネリック医薬品として、「レデプラ」を紹介します。

レデプラ

レデプラは、トルコの製薬会社ムスタファネヴザト社が開発したジェネリック医薬品です。レメロンと同じくミルタザピンを有効成分として含有しており、セロトニンやノルアドレナリンの脳内濃度を高めることで不安定な精神状態を改善します。

加えて不眠症状や不安障害にも効果が期待できることから、世界的に注目を集めている抗うつ剤のひとつとして挙げられます。このように新薬であるレメロンと遜色ない効果を発揮するにもかかわらず、安価で購入できる点が魅力的。通販で購入することができますが、1錠あたりの価格は「15mg錠」の場合約100円「30mg錠」は約160円となっています。

レデプラの詳細はこちら

ミルタザピンの作用機序

うつ病にはノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニンという3種類の神経伝達物質が特に関係しているとされています。

ノルアドレナリンは興奮したときに分泌されやすく、意欲や気力に関係しています。一方、“快楽物質”とも呼ばれるドーパミンは、喜びや楽しみといった感情に影響を及ぼします。そしてセロトニンは緊張や不安を抑える働きがあり、さらにノルアドレナリンとドーパミンのバランスをコントロールする役割を担っており、これによって安定した精神状態を保持します。

しかし、何かしらの原因によってこれらの神経伝達物質が減少すると、意欲が低下したり喜びを感じにくくなったり、さらには精神状態が不安定になったりしてうつ病を引き起こします。このようなメカニズムで起こるうつ病に対し、ミルタザピンが優れた効果を発揮します。

NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ剤)という名前からもわかるように、ノルアドレナリンとセロトニンに作用し、それぞれの濃度を高めるのが基本的なメカニズムです。
具体的には、自己受容体(神経伝達物質の分泌量を感知し、コントロールする器官)の働きを阻害し、脳内の神経伝達物質が不足していると錯覚させます。

その結果、神経伝達物質の分泌が促され、セロトニンやノルアドレナリンの濃度が高まります。また、不要な受容体の働きを阻害し、セロトニンが効率よく作用するためのサポートをする働きもあります。このようにして不足していた神経伝達物質の濃度を一定以上に高め、うつ症状を改善します。

Wikipedia - ミルタザピン作用機序

ミルタザピンの併用禁忌薬

ミルタザピンはうつ病治療において優れた効果を発揮しますが、誰でも問題なく使用できるわけではありません。特にミルタザピンの併用禁忌薬に指定されている医薬品を常用している方は、併用できないので注意する必要があります。

ミルタザピンの併用禁忌薬として、パーキンソン病の治療に用いるMAO阻害薬が挙げられます。ミルタザピンと併用すると、相互作用によって「セロトニン症候群」を招く危険があります。そのため、現在進行系でMAO阻害薬を使用している方、MAO阻害薬の使用を中止してから2週間以上経過していない方は併用できません。

KEGG - MAO阻害薬一覧

ミルタザピンの併用注意薬

ミルタザピンを使用する際は、併用禁忌薬だけでなく併用注意薬についても注意しておく必要があります。
併用注意薬とは、併用が禁止されているわけではないものの、十分に注意したうえで慎重に取り扱う必要がある医薬品をいいます。

たとえば、「CYP3A4阻害薬」が挙げられます。併用することでミルタザピンの効果が強く現れ、人体にかかる負担が大きくなる可能性があります。また、医薬品ではありませんが、アルコールと同じタイミングで摂取するのも要注意。鎮静作用が強く現れる危険があるので、ミルタザピンを使用している期間内は禁酒することをおすすめします。

このほかにも「CYP3A4誘導剤」や「ベンゾジアゼピン系抗不安薬」など、併用注意薬に指定されているものがいくつか挙げられます。該当する医薬品を常用している方は自己判断で併用を開始するのではなく、医師の指示を仰いだうえで正しく使用しましょう。

KEGG - CYP3A4阻害薬一覧

KEGG - CYP3A4誘導薬一覧

KEGG - ベンゾジアゼピン系抗不安薬一覧